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S女小説「女子トイレ専任掃除夫の涙」


S女小説 「女子トイレ専任掃除夫の涙」を電子書籍として出版しました。

内容紹介

女子高を懲戒解雇された元男性教師が、女子トイレ専任掃除夫として女性たちに冷厳な指導を受け続ける物語。

私立桜花女子高校の地理教諭で生活指導部長だった干川清彦(42)は、新任美人教師の秋村架純(23)に片想いを寄せながらも、生活指導副部長の女性教諭三宅淳子(28)と不貞行為を繰り返していた。ある放課後、不良女生徒の武井亜紀(18)を厳しく指導したものの、自らは彼女の担任でもある三宅淳子と事もあろうに、女生徒が去った後の生活指導室で行為に及ぶ。しかしその様子は武井亜紀によって、密かに撮影されていたのだった。その証拠はほどなく彼女の叔母で校長の豊田真帆(42)の手に渡る。真帆が主導権を握る理事会により、本来なら男女二人に厳罰が下るところだったが、清彦が強淫を自白することを交換条件に、清彦のみが退職することで真帆からの容赦を得た。教職にいくぶん辟易していた彼にとっては半ば望むところの選択だったが、これをきっかけに想像を絶する屈辱の日々が繰り広げられていく。

 

プロローグ

第一章 女性校長、逆セクハラ地獄

第二章 女性部長、鬼の土下座強要

第三章 美人担当者、魔の便器特訓

第四章 女子高生、元教師への復習

エピローグ

本文サンプル

プロローグ

「そろそろ行きますか」
 雨上がりの朝、私立桜花おうか女子高等学校の校門前で、生活指導部長の干川清彦ほしかわきよひこが、最後の生徒が校舎へ消えるのを見届けると、副部長の三宅淳子に促した。
「ええ」
 もう少しでホームルーム開始の時刻である。
 二人して校舎の方へ戻ろうとしたそのとき、干川清彦は、頭を茶色に染めた女生徒がひとり遅れて登校してくるのを見つける。
「あいつ……なんだ、あの頭の色は……」
 三年生の武井亜紀だった。いかにも気の強そうな、不良女生徒である。
「おい、お前、ちょっとこっちこいっ。武井だったよな……たしか三宅先生のクラスの」
 茶髪女子を呼びつけ、忌々しげに三宅淳子の方を見る。担任の彼女はばつの悪い表情をして黙っている。
「なんですか、急いでるんだから……」
 校長の姪でもある彼女は強気の口調で言って足を止めずに校舎の方へ進もうとする。
「おい、ちょっと待てって……」
 校庭のスピーカーからメロディが流れる。
「先生」三宅淳子が興奮気味の清彦の肩に手を掛ける。「も、もう、ホームルームが始まりますし、放課後に指導室の方で……私が連れていきますから……」
「わかりました。でもホント困りますよ、三宅先生。担任としてしっかり監督してくれないと」
 武井亜紀の背中を見送りながら、清彦は苦々しく言った。

「おはようございます」
 職員室の自席で待機していた清彦の隣にホームルームから戻ってきた秋村架純が着席する。この春、新卒で赴任したばかりの二十三歳の美人教師だ。二重まぶたの目が凜々しく、笑うとえくぼができる彼女は、まばゆいほどの若さにあふれていて、初見した日から清彦をぞっこんにした。
「うん、おはようございます」
 生活指導で正門に立つことが多い清彦は、このところ自クラスのホームルームは副担任の彼女に任せきりだった。
「ところで先生、真剣に考えてくれました?」
 清彦は秋村架純の耳元にそっと囁く。
「いえ……だからそれは何度もお断りしてるように……」
 一ヶ月程前から、清彦は結婚を前提とした交際を架純に申し込み続けていた。四十二歳の清彦は、一度結婚したことがあるのだが、五年前に離婚して、現在は独身である。架純の方では清彦のことを特段好きでも嫌いでもなかったが、倦怠ぎみの交際からようやくフリーになったばかりで、しばらくは教師という仕事に全力で取り組んでみようと決意していた。とにかくいまは異性と付き合いたい気分ではなかった。

「ううむ、そうですか……お忙しいなら……わかりました……」
 放課後、架純にカラオケの誘いも断られた清彦は気を取り直して、テストの採点にいそしむ。その背中に、「干川先生」と手が触れた。
「はい、あ、先生……」
 振り返ると生活指導副部長の三宅淳子が立っている。
「どうします、武井亜紀、指導室に待たせてますけど」
「あっ、そうか……そうでしたね……」

「言いたいことはいくらでもあるぞ、武井」
 清彦は机を挟んだ女子生徒の前に椅子の音を荒々しくたてて座りながら、苛立たしそうに言う。秋村架純に振られたことが苛立ちをさらに募らせている。三宅淳子は武井亜紀の隣に少し離れて腰掛ける。
「まずはその金髪」
 清彦は手を伸ばして茶色に染めた亜紀の髪をつまもうとする。
「触らないでっ、金髪なんかじゃありませんから」
 大きな目をかっと見据える。
「耳を見せてみなさいっ」
 清彦の方も負けじと横の髪をすくって亜紀の耳たぶを露わにする。
「ほらっ、穴が空いてるじゃないか。ピアスのだろ……あと、遅刻にサボり、無断で飲食のアルバイトしてるって噂も聞いてるぞ……三宅先生、いったいどうなってるんです彼女……」
 淳子は「すみません……」と言ってうつむく。
「先生が謝る必要ないですよ」亜紀は、そう言って清彦の方にあらためて強い視線を送る。「だから、どうだって言うんです。そもそも、うちの学校にそんな校則ありましたっけ?」
 確かに亜紀の言うとおりではあった。進学校でもあるこの女子高には校則というものが存在せず、風紀については生徒の自主性に任されていた。実際、武井亜紀は素行にこそ問題があったが、学業成績は常に上位を保っていた。
「常識ってもんがあるだろうっ」
 清彦が興奮して立ち上がる。
「常識ってなんですか? 落ち着いてくださいよ、先生」
 亜紀はまったくひるむことなく、むしろ昂ぶった男教師をなだめるように言う。
「な、なにいいっ……じゃ、じゃあなあ、言うけど、知ってるんだぞ、武井、お前が不純異性交遊してることだって……」
「せ、先生……」
 タブーに触れてはならないとばかりに、思わず淳子が口を開く。しかし、それにも亜紀はまったく動じなかった。
「それって、セックスのこと、ですか? 自由でしょ、それも。ちゃんと恋愛してるんだから、避妊だってきちんとしてるし」
「な、なにをっ」
 清彦は身を乗り出し亜紀の頬をパンと打った。
「先生っ」
 再び淳子が口を開く。
 叩かれた亜紀が口元にかすかな笑みを浮かべながら、横向いた顔を戻す。
「見ましたよね、先生」と淳子に確認する。「そっちの方が問題ですよ。いまどき体罰なんて。常識ないのは、あなたの方じゃないですか?」
 生徒にあなた呼ばわりされ、清彦は頭に昇った血をたぎらせる。
「た、武井っ」
 亜紀の胸ぐらをつかんで、右手を挙げる。
「次やったら、叔母に言いますよ、校長に……いいんですか?」
 清彦はその言葉を聞いて我に返る。校長の耳に入れば、懲罰委員会にかけられるだろう。体罰は御法度のご時世だ。場合によっては懲戒解雇もあり得ると聞く。
「……いや……」
 一気に脱力して、亜紀の胸をつかんでいた腕がだらりと下がる。
「お話は以上でしょうか?」
 亜紀は清彦、そして淳子の方を見る。淳子は清彦が放心状態なのを見て取ると、「うん、大丈夫。行って。だけど、なるべく高校生らしい外見と振る舞いを、ね、お願い、武井さん」
「わかりました、できるだけ努力します」
 亜紀は微笑を浮かべ立ち上がると、淳子の方にだけ軽く会釈し、指導室を出て行った。

「ごめんなさい、干川先生……き、清彦さん……」
「まずいよ、淳ちゃん、僕に恥をかかせてくれてさ」
 図書館棟の奥にある指導室は、放課後の時間帯、近くにも人影がない。それを承知で清彦は淳子の隣に腰掛けるといきなり唇を重ねた。
「んむふぅっ……だ、だめ……こんなとこで……」
「いいじゃない、この時間、ここには誰もこないから。今日はもう抑えられないよ」
 生活指導部といっても清彦と淳子の二人きりである。昨年の暮れの反省会をきっかけに、二人は男女の関係になっていた。それ以降、清彦は月に一度ほど、夫婦の倦怠期に差し掛かっていた淳子を誘って、睦み合いを重ねていた。二十七歳の淳子は、とびきりの美人ということでもなかったが、女子アナを彷彿とさせるまずまずのルックスで、清彦のお気に入りのセックスフレンドであった。
「入れるだけでいい、入れたいんだ」
 清彦はそんな都合の良い欲求を淳子に押しつける。彼女が首を横に振らないのを確認すると散らばっていた机を並べて、簡易ベッドをこしらえる。
「さあ、上がって」
 淳子はまるでまな板の上に乗るような心持ちになって、清彦の言う通りに従い、自らストッキングごとショーツを脱いで、急ごしらえの硬いベッドに上る。清彦も続いて上り、ベルトを緩め、ズボンをパンツごと膝まで下ろし、淳子の、見た目よりむっちりとした太股を押し広げ、すでにいきり立ったペニスの亀頭を秘芯の割れ目にこすりつける。
「お、もう、ぐっしょりだね……」
「……ああ、言わないで、先生、清彦さん……」
 清彦はゆっくりと腰を押し進め、ほどよく熟した淳子の蜜壺に、ズブズブと勃起を沈めていく。根元まで嵌め込んだところで、細身の割りに豊かな双乳をひしと抱きしめ、いったん体を浮かしてブラウスの上から両手で揉みし抱いていく。
「あん、ああああ、はん……」
 あえぎ声を塞ぐように再び唇を重ね、今度は歯を押し開いて、舌を押し込み、唾液を送る。
「んむぅっ……うあはあああん……」
 性の快楽の奥深さを知り始めた女体は、逢瀬を重ねるごとに過敏になっていく。また学校の敷地内で、男教師と女教師が、股間を合わせている事実に、清彦も淳子も興奮をなおのことかき立てられている。
「こういうの、ときたまやろうよ……」
「駄目よ、あはん、も、もし、見つかっちゃったら、なにもかもお終いよ……」
「こうやって、服着てさ、下半身だけあわせて。人の気配がしたら、スカート戻して、ズボンあげれば、いいんだから。スリリングじゃない? だから、淳子もこんなに濡れまくってるんでしょ」
 そう言いながら、清彦は抽送の勢いを強める。並べた机同士が当たって、ガチャガチャと音を立てる。
「あはああん、ああ……、う、うん……いい、もっと、入れて……」
「入れてるじゃない、もっと? こうか……」
 清彦はつかの間、架純への恋心も忘れて、淳子との交わりに没頭している。こっそりと戻ってきた武井亜紀が、携帯カメラで撮影しているのも知らずに。
―――干川と三宅さんができてるって噂は、やっぱりホントだったか……しっかし、いい大人が、バッカだね……犬畜生か、お前ら……

 亜紀は、教師二人の濃厚な交わりをひととおり撮り終えると、にんまり微笑んで指導室のある棟をあとにする。

第一章 女性校長、逆セクハラ地獄

☆ 一

「生活指導は、上手くいってる?」
 校長の豊田真帆が、校長室に呼び出した干川清彦の目をじっと見据えて言う。二人は応接テーブルを挟んで革張りのソファに腰掛けている。
「は、はい……それは、なんとか……」
 清彦は自分と同学年の美人校長に緊張の面持ちで答える。同学年であるが早生まれと遅生まれの差で、実際は清彦が一年近く年かさだった。
―――それにしても朝から急に呼び出したりして、いったいなんだろう……
「そう? なんか変わったことない?」
「え、ええ、特にはありませんが……あ、あの……これを校長先生に申し上げていいのか、ちょっと迷ってるのですが……」
「なによ、なんかあるならいいなさい」
 顎に拳を当て、清彦のことを上から覗き込むようにする。長身の豊田真帆は、それだけで存在感がたっぷりだが、ここ数年で言動にも女性校長としての貫禄、威厳が備わってきた。相手が年上だろうが、男だろうが、部下の教師には相応の態度で接する。
「は、はい……実は姪御さんの……武井亜紀、さんのことで……」
 清彦は亜紀の外見が乱れ、素行もあまりよくないことを遠慮気味に告発する。
「そう……成績はどうなの、亜紀……」
「はい、そ、それが、成績の方は申し分ありませんで……」
「なら、多少は大目に見てやってよ。生徒の自主性に任せるのが、うちの伝統でもあるんだからさ……」
「あ、は、はい……」
「それよりさ、あなた、自分の学校生活の方はどうなの?」
 グリーンのスーツを上品に着こなした真帆が鋭い眼光でねめつける。
「わ、私ですか……」
 急に思いもしないことを言われ、清彦は言葉に詰まる。
「うん、問題ない? 自分自身の風紀には」
「あ、いえ、すみません……校長先生、な、なにかそんな、私のことを誰かが? ……」
「いまは私が聞いてるのよ。質問に答えなさい」
 真帆の顔から笑みが消える。
「あ、はいっ、すみません……も、問題はない、と思いますが……」
「大丈夫なのね。わかった。じゃあさ、この写真について説明してくれる?」
 真帆は応接テーブルの上に、一枚ずつ写真を置いていく。ズボンを降ろした清彦が、大股を広げた女性に自身のものを挿入している。女性は同僚の三宅淳子教諭だとはっきりわかる。別の写真はバックスタイルで交わるところを前方から撮られている。もう一枚は、立ってズボンを降ろした清彦のペニスを淳子がフェラチオしているシーンだった。二人とも衣服を身につけたままだが、それがかえって不道徳を強調しているように見えた。
「こっ、これはっ……」
「あなたねえ、学校をどこだと思ってんの?」
「あああ……あああああ……す、すみません、申し訳ありません……」
 清彦はソファを降り、サンダルを脱いで、テーブルの横に正座し、床に深く頭を下げる。
「理事会にかけたら懲戒解雇は間違いないわね」
「ふ、二人ともでしょうか?」
「もちろんよ。合意のセックスでしょ。ラブホじゃないんだからね、学校は」
「み、三宅先生はどうか……助けてあげてください……」
 どういう心理か、清彦はついそう口にした。三宅淳子を心から愛しているわけでもなく、正義感が強いタイプでもさらさらなかったが、そう言うことで、真帆校長の温情を誘おうと無意識の計算が働いたのかもしれない。
「そんなわけにはいかないわよ。あなたが無理矢理やったってなら別だけど」
「そ、そういうことならば、彼女は助かるんでしょうか?」
 成り行きから清彦はそう言葉を続けてしまう。
「……そうね……ええ、そうなるでしょうね。あなたが証言するなら」
 真帆は写真の中から女教師がフェラチオしている一枚だけを手に取ると忌々しそうに破り、灰皿に燃やした。
「わ、わかりました……」
「認めるのね。あなたが強姦したって。ちょっと待って……」
 強姦という言葉が、清彦に重く引っかかったが、真帆は自席の引き出しからICレコーダーを取り出してくると、スイッチを押し、「話して」と捜査官が自白を促すように言った。

 清彦がひととおり話し終えたあと、真帆はレコーダーのスイッチを切ると、「OK、あなたのお望み通り、三宅先生はおとがめなしということで……」
 清彦は一気に脱力し、頭を床に着けてその場にうずくまる。
「干川さん、休んでる暇ないわよ、行きましょうか」
「えっ」意を決するような真帆の強い声に清彦は驚き、顔を上げる。「ど、どこにでしょうか……」
「警察よ、決まってるでしょ。あなた《強姦》したんだから。自分でそう言ったじゃない」
「そ、そんな……こ、校長先生……わ、私は、ただ、先生の言われるままに……」
「なによそれ、私が言わせたとでも? 言ってないわよ、私はなにも。あなたが自分の罪を自白し、強姦してる証拠写真もある。それだけのことよ」
 清彦としては実のところ、教師という職業に退屈し始めてもいた。いまさらながら、本当に向いているのだろうかと考えることもあった。それが自白の強要を容易に受け入れたのかもしれない。ここを解雇され再就職する覚悟はなんとかできつつあった。だがしかしだ……犯罪者として裁かれる未来など、とうてい受け入れることはできない。
「どうか、校長先生、許してください……先生のご裁量でなんとか……」
 清彦は目に涙を浮かべて、懇願する。
「泣いたって駄目だよ。自分の犯した罪を後悔しなさい。入るべきところへ入ってしっかり反省してくるの」
 真帆は暗に刑務所の檻を示して、清彦の反応を見る。
「…………そんな……せ、先生、どうかっ、な、なんでもしますから……」
「なんでもするぅ?」
 真帆は上辺では落ち着いた表情を見せながら、股間から込み上げてくる熱いうずきに体を火照らせる。
「は、はいっ、私にできることがあれば、なんでもおっしゃってください……」
 清彦はどうして自分がそんなことを言いだしたのかよくわからなかったが、とにかくこの窮地から助かりたい一心で声に出した。
「そう……」真帆は輝くような白い歯を覗かせてうっすら微笑む。「なんでもしてくれるんだ、干川先生は……」
 ソファを立ち、ドアへ行って、カチャリと内鍵を閉める。大きな執務机の脇に置いてあるパンプスを取って、清彦の膝元に置き、もう一度ソファに腰掛ける。
「履かせて、それ」
 そう言ってサンダルを突っかけた足を清彦の方へ差し出す。
「え……」
「なんでもしてくれるんでしょ。じゃなかったっけ?」
 そう言って真帆は首をかしげる。しばし、妙な沈黙が校長室を支配した。真帆の顔が一転険しくなるのを察知した清彦は意を決して声をあげる。
「や、やります……すみません、やります、先生……」

 真帆の命令で応接テーブルを少しずらした清彦は、彼女の足元にきちんと正座する。
「し、失礼します……」
 そう言って、エメラルドグリーンのサンダルを足から外すと、黒くてつま先とヒールの尖ったパンプスを履かせる。モデルさながらの引き締まった長い脚は、黒いストッキングで覆われていた。香ばしい微臭が鼻を突く。こんな惨めなことをさせられながらも、清彦はなぜか倒錯的な興奮をわずかに感じ始めていた。
「もうちょっとこっちにきなさい」
 真帆は軽くため息をつくとなんと清彦の頭髪をつかんで自分の方へ引き寄せた。
「あうわああっ……」
 清彦は思わず情けない声を上げながら、膝を擦って前進する。
「磨いて」
 女性校長はこともなげにそう言うと、清彦の膝の上に、パンプスの片脚を載せた。
「せ、先生……」
「いちいち、そんな目しないの。なんでもやるっていったでしょ。やめますか? もう警察行こうか、やっぱり」
 いまにも立ち上がらんばかりの勢いでそう言い放つ。
「い、いえ、先生、や、やります……やりますので……」
「じゃあやってよ、早く。ハンカチもってんでしょ?」
「は、はい……」
 清彦は尻のポケットから、柄物のハンカチを取り出した。
「きれいなんでしょうね?」
「はいっ、まだ使ってませんので……」
 清彦はハンカチを使って靴磨き屋よろしく、膝の上のパンプスをつま先から磨き始めた。

☆ 二

「雨降ってたから、汚れてるでしょ」
 濃いグリーンのスーツ―――ジャケットとスカートを身につけた豊田真帆がソファの上から清彦を見下ろす。
「は、はい……」
 清彦は上司とは言え、ほぼひとつ年下の女性の埃っぽいパンプスをつま先から踵の方へハンカチで磨いていく。ところどころに泥が跳ねたあともある。清彦は息をハーハー吐きかけながら、早くこの惨めな作業から解放されたいと思った。
「もっと丁寧にやりなさいよ、雑だね、あなた」
 膝を踏んだヒールに力が込められる。
「うぐううううっ……」
「きちんとやらないと許さないよ」
 力を込めたヒールを左右にねじ込む。
「はあううぐううっ……や、やります、すみません、校長先生……」

「い、いかがでしょうか……」
 左右のパンプスを磨き終えた清彦が真帆にお伺いを立てる。
「ふん、汚れ取っただけ? 艶は出ないの?」
「す、すみません……クリームもなにもないもので……」
「じゃあ、今度、持ってきなさい」
「あ、はい……」
 これから、この部屋で本格的に彼女の靴磨きをしなければならないのだろうか。そう思うと清彦は背筋に寒気を覚えた。
「それと……靴底はきれいになってるのかしら? 干川先生」
 この場面で、先生呼ばわりされることがかえって屈辱的だ。
「あ、いえ、それは、まだ……すみません……」
「ほら、どう?」
 真帆は足を上げ、靴底を清彦の顔面に蹴らんばかりに近づける。
「あ、よ、汚れています……だいぶ……」
 雨降る道を歩いてきたパンプスの靴底は埃に加え、泥の塊もこびりついていた。
「ねえ、アタシ、足きついんだけど」
 尖ったつま先が額を突いた。
「あうっ……」
 こともあろうに土足で顔を足蹴にされ、清彦は驚愕の眼差しを美人校長に送る。
「なによ、その目は。なんか文句ある? 警察行こうか?」
「い、いえ……すみません……」
「足がきついっていってるでしょう?」
 もう一度、つま先が額を蹴る。今度は体が後ろにのけぞるほど強いキックだった。
「はがうううっ……も、申し訳ありませんっ……」
 清彦は体を戻すと慌ててパンプスの踵に両手を添える。
「きれいにしなよ、早く」
「は、はいっ」
 清彦が片手でハンカチをつかんで靴底を拭こうとするが、大柄な真帆の長い脚は重く、片手で支えきれず、ぐっと下がってしまう。
「なんだよ、それ、力ないのね、あんた」
 真帆の踵はほとんど清彦の膝の上に乗った状態になる。
「あああああ……」
「そんなのできちんと靴底が磨けるわけないでしょっ、ちゃんと靴底を目の前に持ってきてしっかり見ながらやんないと……」
「は、はい……すみません……」
 そう言いながらも片手だけでは、顔の前まであげることができない。真帆も非協力的で、逆に下へ降ろそうと力を加えるほどだった。

S女小説「女子トイレ専任掃除夫の涙」


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