「わ、わかりました」
靴クリーニング業者の男は、女性社長に泥だらけのブーツを舐めてきれいにしろと命じられた。
常識外れのオーダーに、最初は難色を示した彼だったが、言うことが聞けないなら、今後出入りを禁止すると宣告される。
「他にも何社か、うちと取引したいっていう会社がきてるの。だから、おたく、もういいわ」
「そ、そんな……社長のところとのおつきあいがなくなれば、うちはつぶれてしまいます」
女社長の会社は、従業員二千人の内、大多数が女性従業員であり、年間で相当数の靴やブーツをクリーニングに預けてもらっている男は焦った。
「だからそれがいやなら、汚れてる私のブーツを舐めてきれいにしろって言ってるの。これ無理な注文かしら?」
「い、いえ……」
「これが常識外れなんて思っている、オマエの頭の方がよっぽどおかしいんじゃない?」
「は、はい……その通りです」
もはや男は、取引を再開させてもらうために必死である。
「オマエの舌を伸ばして、私のブーツについた泥をきれいに舐め取れって言ってるのよ。犬にでもできる簡単な仕事でしょ」
「は、はい……」
「はい? 犬なんだから、ワンっていってみたら?」
「……」
「いえないわよね……わかった。もう、いい……」
「ちょっとお待ち下さいませ、社長様……わ、ワン……舐めさせて下さい」
「早く舐めろ、クズ犬……靴舐め業者……私に逆らった罰として、10%の値下げを要求するわ。いいよね、仕事を切られるよりは」
「は、はい、社長様……今後ともどうぞよろしく御願いいたします」
妄想元:Boot Stalker