「将校様、もうそれくらいで、おやめになっては……」
年老いた側近の男が血気盛んな女性将校にやんわりと進言する。
これ以上拷問を続けると捕虜の命に関わると思ったからだ。
捕虜の男は、ブーツで下半身を蹴りつぶされ、生爪はすべてはがされている。
「何言ってんの、拷問はこれからよ。今から、鞭で百発打ち据えるわ……それとも、オマエが身代わりになる? だったら、許してもいいけど」
「い、いえ……申し訳ございません」
「っていうか、オマエ、最近私に口答えが多いよね」
「しょ、将校様……すみませんです、ど、どうかお許しを」
年老いた側近は、躊躇なくその場に土下座した。
「オマエ、歳ばっかりくって、何がよくて、何が悪いのか、判断つかなくなってんじゃないのか? 耄碌が始まってるか?」
泥の付いた長靴で、土下座の頭を踏みしだく。整髪料で整えた薄い髪がバラバラに乱れる。
それを見て、銃を持ってそばに控える若い女性兵士たちがくすくすと笑う。
彼女たちも迷彩服にブーツを履いて物々しい装いをしているが、面立ちはまだ十代の少女のままだ。
「銃殺にしようかコイツ」
女性将校は、悪戯心で、そんなセリフを口にする。
将校の冗談に乗った少女たちは、側近の頭に銃口の狙いを定める。
「ひいいっ、お許し下さいませ、どうか……お許しを」
必死で女性将校のブーツのつま先に舌を這わせる側近の足元から、失禁の水たまりが広がっていく。
妄想元:SM地獄門一