「ふざけるんじゃないわよ。舐めたいって言ったのはオマエでしょ」
ドリスは、夫のダニーに向かっていう。
「そんな適当な舐め方でさ、許されると思ってるの? 犬のくせに」
ドリスの友人サリーもけしかける。
「いつまでも、夫づらしてんじゃないわよ」
口に突っ込んだブーツにさらに力を込める。
「ううううっ、ぷはっ……いいえ、決してそのようなつもりでは……」
たまらず、ダニーはブーツを吐き出す。
「じゃあ、どうして、ブーツをきれいにできないのよ」
ドスンとドリスは床を踏みつけていう。恐ろしさで身震いをする気弱夫。
「まさか、外で履いてきたブーツをとは思わなかったものですから……しかも雨で泥だらけで」
「オマエ、何勘違いしてるの? 靴を舐めるってそういうことでしょ」
「ここはSMクラブじゃないんだからね」
サリーも笑いながら相づちを打つ。
「二人のブーツがピカピカになるまで、今日は許さないからね」
「できなかったら、蹴り殺すよ、本当に」
そういいながら、夫の手の甲を尖ったヒールで踏みねじる。
ダニーの悲鳴と女性たちの笑い声が部屋中に響き渡る。