行きつけのバーに、その日初めて妻はペットを連れてきた。
ペットとはすなわち、昨年結婚した夫である。
結婚して半年後に妻は夫のM性を見抜き、奴隷として使うことにした。
行きつけのバーは、オーナーの女性がS女であることから、いつしかそういった趣向を持つ女性ばかりが集まるようになった。
彼女たちのほとんどが、夫や恋人を奴隷として所有していた。
「さて、今日はオマエの芸を皆に見せてあげるわ」
妻は夫に、数人の女性客が見ている前で、犬のようにチンチンすることを命じた。
夫は沈黙したままである。
いくらM性の持ち主だからと言って、人前で、ましてや若い美女たちの前で、いきなりそのようなことができるはずがない。
「ど、どうか……お許しください」
「犬のくせに、なぜオマエは人間の言葉をしゃべるの? どうやらオマエは私に恥をかかせたいみたいね」
妻はバーの女主人に許可をもらって、オブジェとして壁に掛けてあった一本鞭を取ると、他の女性たちが見ている前で、二十歳も年上の夫を容赦なく打ち据えた。
「あううううっ、ひいいっ、お許しくださいませ、マダム」
背中を血だらけにした夫が若妻に哀願する。
「この泥だらけの靴底をオマエの舌できれいに舐め清めるのならば許してあげるわ」
そういって、ブーツの靴底を夫の目の前に差し出す。
彼は涙目になりながらも、妻の暴力に恐怖を感じて恐る恐る舌を差し出す。
「この旦那さん、奥さんが履いてる靴を舐めてるわ」
「みじめだわね」
「人間のくずね」
「クズじゃないわ犬でしょ」
「犬の芸もできないんだから犬以下じゃない」
「そう、オマエは犬以下のクズ奴隷でしょ?」
「はい……」
「自分の口でそういいなさいよ」
「はい、マダム、私は犬以下のクズ奴隷です。ブーツをきれいに舐めて差し上げますので、これ以上の暴力はどうかご容赦くださいませ……」
「よほど、私が怖いみたいね。ついでにここにいる女性全員の靴を舐めて差し上げなさい」
「は、はい……かしこまりました」
かくして男にとって長い夜が始まった。
Pictures from sado-ladies.com