「も、申し訳ございません」
必死で謝る夫に妻は容赦の無い平手打ちを浴びせる。
「タバコは切らすなっていってあるよね」
「は、はい……うっかり買い忘れてしまいました。申し訳ありません……」
「オマエのそのうっかりはいつになったら直るの?」
気が収まらない妻は、夫の頬を三十分近く連続して打ちまくる。
口の中が切れ、鼻骨が折れようが、かまわない。
このバカ亭主は、職を持たない能なしだから、体裁をいまさら気にする必要も無い。
私の気分で殴りたいだけ殴り、気が晴れるまで罵倒する。
「ど、どうか、もう……このくらいで、お許しくださいませ……」
「オマエみたいなバカは、死ななきゃ分からないのよ。いっそ殴り殺してあげようか?」
「ど、どうか、命だけはお助けくださいませ……」
「今度、タバコを買い忘れたりしたら、これくらいじゃ済まさないわよ」
「は、はい……承知いたしました。マダム……」
「顔の血を拭いて、服を脱いで素っ裸になって、私のブーツを舐めなさい」
「はいっ、あ、ありがとうございます」
「せっかく与えてもらったチャンスを無駄にするんじゃないわよ。私がいいというまで舐め続けなさい。この馬鹿犬が」
「は、はい……かしこまりました……」
「仕上がりが私の気に召さなかったら、オマエのその生白い背中を鞭で血だらけにしてあげるわ」
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